あまねけ!ニュースレター #17

January 18, 2022

こんにちは、あまねです。

感想や興味のあるトピックについて、ぜひコメントしてください。

人間と科学

[PR]のこと

先日、あまねけ!にPR欄を作りました。このニュースレターを購読いただいている方なら、既に何度かご覧になっているかもしれません。ジャンルとしてはいわゆるテキスト広告というものです。

ただし、流れているのは広告ともTipsともつかない短いテキストばかりです。[PR]の表記は名ばかりに、クリック単位の課金どころか時間ベースの掲載料さえ発生していません。今はあまねけ!と「あまね」関連商品について紹介している状況です。

あまねけ!は多くの人に読まれるように設計されているサイトではなく、実績でも決して多くの人には読まれているわけではありません。あまねけ!分析基本指標の「読んだ」ボタンベースでは月に平均30回程度しか読まれておらず、広告を掲載する利点はほとんどないといえます。

もちろん、このPR欄は実利のために作られたものではなく、単なる個人サイトの盆栽として進められている小さな取り組みです。これからあまねけ!をPV数ベースで成長させる方向に転換していくわけではありません。

その証拠として、この 広告 は、多くの点で訪問者を煩わせないように工夫されています。まず、PRは画面内に固定されていないので、下にスクロールするとすぐに見えなくなります。また、ページ表示直後の貴重な数秒間は文字がスクロールしないよう設定されており、視覚的ストレスを与えにくくなっています。さらに、CSSが使えないlynxなどのテキストブラウザやクローラに混乱を与えないよう、HTML上はCSSの調整を前提としないシンプルな構造で実装しています。

テキストを自動でスクロールさせる marquee タグは、 blink` タグなどと同様に、HTMLのセマンティクスにふさわしくない過剰な文字装飾機能として既に廃止されています。そのため、PR欄のスクロールはCSSを用いて実装されています。

大まかには、 overflow: hidden なブロック要素に display: inline-block な子要素を生やして、 transform: translate(0) から transform: translate(-100%) までアニメーションさせるといいでしょう。子要素が display: inline-block ではなかったり、 position: relative な子要素を left: 0 から left: -100% までアニメーションさせても似たような動きはできますが、スクロールが途中で終わってしまうことがあります。

過去に実装していた広告(2019年3月頃まで)
過去に実装していた広告(2019年3月頃まで)

かつて、あまねけ!では画面下部に position: sticky な広告を実装していたことがあります。最終更新から30日以上経過すると無料ホームページ風の広告が表示される仕組みになっており、サイトイメージを毀損しないために定期的に記事を書き続けられるのではないか、というアイデアでした(この発想の一部は記事一覧の 💌 アイコンに引き継がれています)。もちろん、このときも掲載料は発生していません。

PR欄への掲載については、こちらからいつでもお申し込みいただけます。

匿名で使えるE2EEメッセージングアプリのこと

#14でお伝えした自己紹介ページの開設にあたって、連絡手段の整理と再検討を行いました。特に、電話番号やメールアドレスを提供せずに匿名で利用できたり、(法律や運用上の保障ではなく)技術的に傍受・検閲を防ぐことができる連絡手段が重要です。

Signalは、デフォルトで強力なE2EEを利用できる非常に人気のメッセンジャーです。テキストのやり取りはもちろん、画像や動画も送信できますし、ビデオ通話もサポートしています。アプリのUIもこなれていて日本語も利用可能です。日常的に使いやすいE2EE対応メッセンジャーを勧めるとしたら、Element(Matrix)かSignalを挙げると思います。

しかし、Signalではアカウントと電話番号を紐付ける必要があります。単なるアカウント作成時の認証手段というわけではなく、電話番号がアカウントのIDとして使われるのです。つまり、互いの電話番号を知らなければ会話を開始することはできません。これは大きな欠点です。

一方、surespotでは(早い者勝ちですが)好きなIDを指定することができ、またアプリ内でいくつでもアカウントを作成できます。データは端末内の秘密鍵で暗号化された上でサーバに保管されており、これらを事前にバックアップしなければ、端末の移行や故障によってアカウントにアクセスできなくなるでしょう。技術的背景が分かりやすいシンプルなアーキテクチャで好感が持てますが、UIがあまりこなれていないので日常的に使い続けるのはちょっと苦しいと思います。開発もあまり活発ではなさそうなので、強くおすすめできるアプリではありません。

Briarは、さらに趣の異なるメッセンジャーです。中央サーバにアカウント情報を保管したり、会話を開始するためのIDを記録せず、常にP2Pでやり取りを行います。ネットワークはTor、Wi-Fi、Bluetoothから自由に選ぶことができ、インターネットに接続できない場所でも近くの人とやり取りできる可能性があります。しかし、典型的なクライアント・サーバモデルとは異なるアーキテクチャなので、バッググラウンドで起動し続ける必要があったり、端末の移行や故障耐性に難があるなど、少し不便かもしれません。アプリのUIはシンプルかつ軽快で使いやすい印象です。

ToxもBriar同様にP2Pでコミュニケーションを行うメッセンジャーですが、サードパーティによるAndroidやWindows、Linuxなどで動作する多くのクライアント実装が存在することや、ビデオ通話や画面共有をサポートしている点でより優れています。ただし、P2P接続に必ずTorを使うわけではないことや、接続されているクライアントのリストをブートストラップノードから取得する可能性があることを意識する必要があります。

少しだけお金を払ってもいいのなら、Threemaもかなりよさそうです。中央サーバが存在していますが、単なるリレーのみに使われてサーバには情報が残さないという仕組みらしく、クライアント・サーバモデルとP2Pのいいとこ取りという感じに見えます。でも、今回はまだお金を払っていません。

この他にも、使いやすい匿名で登録可能なE2EE対応メッセンジャーがあったらこっそり教えてください。

アマネイメージズ

今回はありません。


© 2023 Amane Katagiri, Built with Gatsby