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人間と科学
隣の生コン工場
街を歩いていると、ビルやマンション、商店などが建ち並ぶ中に突然レディーミクストコンクリート(生コンクリート、生コン、レミコン®)の工場が現れることがあります。四角くて大きなミキサー塔と、ベルトコンベアーで接続された背の低い材料塔の組み合わせは生コン工場に固有のもので、日本各地で見かけることができる特徴的な風景です。幼い頃を思い出して懐かしい気持ちになる人もいるかもしれません。
さて、わざわざ都内の高い土地で生コン工場を建てる必要があるのは、生コンの寿命がとても短いからです。生コンは混合後にいわゆるミキサー車に詰められて運ばれますが、攪拌しながら運搬しても完全に凝結を防ぐことはできません。具体的には、混合から90分間以内に到着することがJIS規格(JIS A 5308)で定められています(さらに、JASS 5では打ち込みまで含めて90分間以内に完了するよう定められています)。
製造に大がかりな工場が必要なのに寿命がとても短い製品というのはなかなか不便ですが、おはなしのアイデアに役立つかもしれません。すぐに使わなければならない架空の工業製品と、そのための架空の流通経路を考えるとたのしいですね。軽くて小さいものならドローンで、重くて大きいものはどうしたらいいでしょう?
石のチカラ
去年、電波資本という記事で鉱石ラジオについて触れました。鉱石ラジオは、整流効果のある鉱石を使って振幅変調(AM)の電波を音声に変える簡単な回路です。当時は電波の弱い環境の中ゲルマニウムダイオードで製作を行いましたが、もっと都会に住んでいれば鉱石標本収集も聴取テストも簡単にできただろうな……という感じの記事になっています。
幼い頃、色とりどりの小さな石が大量に積まれた箱から、小さな透明のプラスチックケースに好きなものを選んで詰めるコーナーがとても好きでした。小さな天然石を丸く磨いて持ち運びやすくしたアクセサリーで、 タンブルというらしいですね。何度か買ってもらったことがありますが、その中でもよく記憶に残っているのが銀色にぴかぴか光る小石です。
他のタンブルが明らかに石を磨いてできたものだと分かる見た目の中で、これだけは無骨なただの鉄の塊で、いかにも人工的なおもちゃのようでした。当時は、缶入りドロップのハッカのように異質な存在として目立っていた気がします。
先日、この銀の小石をまた手に入れる機会がありました。実はこれもちゃんとした天然石で、ヘマタイトというらしいです。記憶よりもちょっと輝きが黒くて傷が多いですが、おそらく思い出の方が美化されすぎたのでしょう(もしくは、明るい光沢になるように薄くめっきされていたか)。
成分としては酸化第二鉄の塊で、産出地によってはもっと黒かったり銀色だったりと、個体差があるようです。そのまま鉱石ラジオの検波に使うのは難しいですが、例えばパイライトと共生したものを使ったりすると綺麗かもしれませんね。
先輩、今日もいいですかは、石について研究しているふたりのたのしいおはなしです。よろしくお願いします。
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今回はありません。
アマネイメージズ
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