こんにちは、あまねです。このニュースレターでは、週刊~隔週刊のペースで以下のようなトピックを取り扱います。
- 人間と科学: 日常の記録や趣味のアイデア、活動紹介が2~3トピック続きます。
- ツイッター: 「人間と科学」よりも楽しくない評論や考察が0~2トピック続きます。
- アマネイメージズ: amaneimages.comから1枚写真を選び、関連するシーンの引用や短い書き下ろし、撮影時のエッセイなどが1トピック続きます。
感想や興味のあるトピックについて、ぜひコメントしてください。
人間と科学
ドット絵と表紙
11月の文フリ東京33で発行する予定の冊子のために、小さなピクセル数のドット絵で表紙を作る実験を行っています。初期段階として、これまでに撮影した写真をベースにドットを打っているところです。単に縮小と減色を施すだけでは味気ないモザイク画像しか得られないので、いろいろと工夫が必要そうですね。
この14×21ピクセルに何が描かれているか分かりますか? 難しいですね。タップすると元の画像が表示されます。
14×21というピクセル数は、早雲山駅併設のcu―mo箱根で売られているオリジナル切⼿付きポストカードを参考にしています。cu―mo箱根のシンボルマークは、大きな正方形のピクセルを交互に並べた雲形の市松模様であり、このポストカードでも紙面を14×21ピクセルに大きく分割してご当地の風景や食べ物を大胆に表現しています。
僕はこれまでに48×12ピクセルの2値LEDマトリクス用デザイン、48×48ピクセルの白黒アイコン(X-Face compatible)、そして320×240ピクセルの些末なカラーイラストを描いたことがありますが、全てのピクセルを活かして表現するのはなかなか難しいです。しかし、14×21ピクセルまで表現力を抑えるならば、cu―mo箱根のポストカードのような大胆なデフォルメが必要不可欠だと実感しています。
サービスエリアで(320×240)
ピクセルを増やせば表現力は上がりますが、その分ピクセルが小さくなればドット絵らしさが減ってしまうかもしれません。いわゆるレトロゲーム的なドット絵らしさは、640×480ピクセル(VGA)を超えたあたりで少しずつ失われていくような気がします。それ以上のピクセル数では、Microsoftペイントで描いたようなジャギーな質感はあれど、少し趣の異なるLo-Fiな魅力が漂い始めるでしょう。
ハイテク回転寿司
回転寿司店の魚べいでは、同社(元気寿司)のシンボルマークや寿司ネタなど8種類のキャラクターから1つを選択して受付票を発行することができます。自分に順番が回ってきたタイミングでそのキャラクターを選ぶと、座席の位置案内が画面に表示されるというシステムです。
これは、Bearerトークンによる認証と似ています。もちろん、トークンが8種類しかない上にユーザが選択可能なので完璧とは言えませんが、現実的な状況に対応するには十分です。緩和策として、もっと多くのキャラクターを用意して受付票ごとに提示する組み合わせを切り替えるなどの対応はできるでしょう。
もちろん、駅のような自動改札機を設置すればもっと素早く案内できるでしょうが、単なる受付票にICカードや磁気券を使うのはコストが高いし、求められるスループットもそこまでシビアではありません。受付票にQRコードを印刷して読み取るのも一つのアイデアですが、全国の店舗に読み取り装置を新規導入するには追加の予算が必要です。
この方式は多くの可能性を秘めています。例えば、選んだキャラクターを受付票に印刷せず、代わりにQRコードを印刷すれば、持つ要素と知る要素を用いた二要素認証を実現できます。さらに、無機質な暗証番号や複雑なパスワードを入力するよりもアトラクションとして優秀です。
回転寿司店は、効率化とアトラクション性向上のために日々進化していますね。これらの取り組みは、コロナ禍による接触機会削減の要請とマッチしてかなり加速しているように感じます。人が自然な形でシステムに組み込まれていく瞬間は、見ていて気持ちがいいものです。無人スシ・バーが主流になる日も近いでしょう!
ツイッター
撮り鉄・転売ヤー・ツイフェミ
千葉県松戸市ご当地VTuberの戸定梨香氏が松戸署・東松戸署(千葉県警)の交通安全啓発動画に出演していたことに対し、全国フェミニスト議員連盟が同動画を削除するよう求める抗議を発端として、フェミ議連の対応や公共機関に求められる姿勢、表現の自由などを巡る議論が紛糾しています。
他人の表現を勝手な基準で判断し、排除しようとするのは非常に危険なことです。しかし、その行為を足がかりに嫌がらせや人格攻撃を繰り返すことまで認められるものではありません。インターネットでは「ツイフェミはオタクの敵(または人類の敵)」という共通認識が広がり、彼らを悪魔化することで存在すら許しがたくなった人たちが急激に増えている気がします。
みんなで差別・排除してもよい集団を作り出し、決して手を緩めずに攻撃する文化は、SDGsとやらの外でカジュアルに(しかも笑顔で楽しく!)行われています。かつてその代表例は撮り鉄や転売屋でしたが、フェミニストも合法サンドバッグとして認められつつあるようです。
フェミを悪魔化するのは勝手だけど、こうやって節操なく手を広げると最終的には黄色い頭巾を被ってるかどうかで陣取り合戦するだけになってしまう
@amane_katagiri (2021) 1441373379806650375
@amane_katagiri 良識ある連合軍に潰されるだけですね
@pawVeihfxR7pVhb (2021) 1441373642026209280
「連合軍」とは誰のことで、「良識ある」とはどういう意味なのか? こうして原爆投下が正当化されていくのかと思うと、なかなか厳しい気持ちになります。
アマネイメージズ
刑部岬の展望台に到着したのは、十一時より少し前のことでした。車を降りると春みたいな夏みたいな曖昧な太陽と、冬みたいな春みたいな冷たい風が我々を出迎えます。大きなジープでくねくねの急勾配を進んだ先に広がるこの数キロメートルの断崖絶壁は、かつて「東洋のドーバー」と呼ばれていたようですが、全てが崩れ落ちた今となっては、たくさんの白い鉱船が停泊している港と、それらを囲む大きな灰色の防波堤しか見えません。
防波堤は太平洋に向かってまっすぐ突き出していて、まるで太平洋をかき混ぜる大きなスターラーのようです。コンクリートの突堤の周りに置かれた真っ黒なテトラポッドに、きらきらと光るエメラルドの結晶が吸い込まれては砕かれていきます。
春の海はエメラルドのしぶきを上げて、よく輝いていました。大きな結晶はガラスを潰したようなくしゃりという高い音で砕けて、小さな結晶はぷちぷちと弾けながら海の底へと沈んでいきます。沈んだエメラルドの砂が集まって海の底で大きな原石が生まれるというのは、もちろん私も教科書で読んだことがあります。
東洋のスマラカタより