こんにちは、あまねです。
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人間と科学
xstarfishとjelatofish
xstarfishというランダムなテクスチャを生成するツールがあります。かつてラップトップでDebianを使っていた頃(WSLでYubikeyを使う以後はWindowsを使っています)は、壁紙やアイコン用の画像データを生成するためによく使っていました。
もちろん、今でもWSLを経由して使うことができますが、ふとしたきっかけでRustに移植しようと思い立ち、jelatofishと名付けて愚直に書き直していました。既にCLIとしては完成していますが、WebAssemblyでの動作が重く、さらに特定のジェネレータでメモリ不足になってしまう(画像全体のピクセルマップを持っている)ので公開直前のまま放置されています。高速化には抜本的な設計の改善が必要そうです。
いちおう、メモリ不足になるジェネレータを除いたバージョンをHello jelatofish!から試すことができます。端末のスペックにも依存しますが、開いてから5秒~10秒ほど待つと正方形の画像が出てくると思います。みなさんも、一期一会の不思議なパターンを壁紙やアイコンに使ってみてください。
ファスト小説
小説などのテキストを縮小するためのツールについて考えています。これは、機械学習による自動要約のことではなく、画像のリサイズにおけるバイリニア法のような存在であり、情報を機械的に拾い上げて圧縮するものです。一方、自動要約はドット絵やデフォルメの生成と似ています。多くの場合、非自明な抽出と強調を繰り返して元の情報とは異なるビューを生成するための技術です。
ひとつの実装として、Svelteの練習も兼ねてShinoptikoという小さなアプリを作っています。このツールは、今のところ単に日本語テキストを文に分割してから間引くだけのものです。一部のマークアップやかっこを消さないようにある程度工夫していますが、まだ挙動は安定していません。
吾輩は猫である。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。吾輩はここで始めて人間というものを見た。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。
書生が動くのか自分だけが動くのか分らないが無暗に眼が廻る。到底助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。
ふと気が付いて見ると書生はいない。肝心の母親さえ姿を隠してしまった。眼を明いていられぬくらいだ。吾輩は藁の上から急に笹原の中へ棄てられたのである。
…
夏目漱石 吾輩は猫であるのサムネイル
さて、このようなテキストデータの縮小版をサムネイルと呼ぶことにしましょう。サムネイルは、タイトル→あおり文→あらすじの次の段階――すなわち体験版として読者に提示できます。サムネイルを用いると、あらすじでは失われていた文体や雰囲気、さらに詳細なストーリーを伝えられるでしょう。
テキストにおける体験版では、冒頭を抜き出すタイプと見どころの一部を抜き出すタイプが一般的ですが、これらの手法にはそれぞれ販売者/購入者が被る欠点があります。詳細については、体験談と体験版をお読みください。もちろん、サムネイルを用いた場合でも縮小前と全く異なる印象を与えることも可能でしょうが、それはそれである種の芸術(逆から読むと別のストーリーになるセリフ群のように)として受け入れられるような気がします。
このアイデアは、パトロンサービスでイラストの高解像度版や差分を限定公開するスキームをテキストで再現することを目指しています。あるいは、忙しい人に自分のお話を読んでもらうためのファスト小説として提供できるようになるかもしれません。
フローチャートボード (1)
第三十三回文学フリマ東京の開催が近づいていますね。10月に入って諸々が緩和され始めていることを考慮すると反動がぴったり降りかかりそうなタイミングですが、いちおう僕が所属している変態美少女ふぃろそふぃ。も出展を予定しています。
さて、同人誌即売会で重要なのは新刊ですね。新刊がないと出展する意味がけっこう薄くなります。もちろん、在庫があるならそれを捌く必要はあるかもしれませんが、カレー屋も見本誌コーナーも懇親会も存在しない文フリでできることはあまり多くありません。
しかし、それ以上に重要なのはブースに座っている存在でしょう。これまで我々は、 かわいい 売り子がいるブースで何を買うでもなく延々とおしゃべりしているビジターをたくさん見てきましたし、新型コロナウイルス感染症が広がってからもその傾向は変わりません(そんなことを百合お手紙・百合フイルムとふりかえりにもかいています)。
とはいえ、集客や売り上げのために誰かを連れてきたり、誰かに頼り切るというのは、少なくとも趣味のサークルでやりたいことではありません。それなら、いっそブースの後ろを丸ごと隠してしまえばよさそうです。その実装として、フローチャートボードという仕掛けを考えています。進捗があったらまたここでお話しします。
実は、文フリ東京31でのラブホパネルは本来そのようなコンセプトで作られていましたが、我々を覆い隠すには高さも幅も足りなかったため、単なるおもしろアトラクションとなってしまいました。それでも、おもしろアトラクションをたくさん作るのは人生で非常に重要なことです。
ツイッター
今回はありません。
アマネイメージズ
今回はありません。